〜二本の篠笛、二本の尺八、打楽器のために〜

 

2007年第18回織座定期演奏会で「環」についてのトーク。
左:指揮者稲田康氏  右:作曲者秋岸寛久氏
(この環では稲田氏は指揮をされていません)

 

作曲の秋岸先生のコメント

篠笛と尺八は共に竹製であり、フルート族の気鳴楽器ですが、その音色は明らかに違っています。したがって、この編成ではどうしても2+2+打楽器という楽器構成になってしまいます。例えば、すべての楽器の音色が統一されている弦楽四重奏、または逆に全てが違う木管四重奏のような場合は場面によってさまざまな組み合わせや対立を楽しむことができます。一方この曲ではそれが固定されていることになりますが、その制約の中で無理することなく篠笛の世界、尺八の世界を打楽器をなかだちとして絡み合わせようと思いました。その打楽器は、篠笛と尺八に対して音色的に等距離にあるものを探した結果、木魚に行き着きました。どちらとも融け合ってくれると思います。

作曲を進めるうち、どんどんアンサンブルが複雑になってしまい、難曲になってしまったようです。果敢に挑んで下さった織座の皆さん、ありがとうございました。

 

 

2007年第18回織座定期演奏会での「環」初演

 

篠笛1奏者のつぶやき

指揮の稲田先生の最初の感想は「あぁ、かわいい曲だね。」でした。しかしその裏側には我々の血と汗の日々が....(おもに冷や汗ですが)
最初楽譜をいただいたときには、変拍子に少々戸惑いましたが、吹いているうちにすぐに慣れ「のどかでかわいらしい曲だな」と感じていました。
だがしかし、秋岸作品はそんなに甘くないのでありました。合奏すると、篠笛1と篠笛2が同じメロディを半拍ずれて演奏するといった今までに体験したことのないアンサンブルでした。うっかり篠笛2を聴いて合わせてしまうと、もういけません。気がつくと篠笛2と一緒に吹いてしまっています。なんだか常に何者かに追いかけられ、走り回り、逃げまどっている気分で練習すること数十回。ようやく半拍ずれを「合っている」と感じられるようになりかけたところでの本番でした。
定期演奏会後の打ち上げで秋岸先生に「もう一度、定期演奏会で取り上げて下さい」と励ますように言われました。そうですよね、あれではまだまだですよね。秋岸先生、可愛らしくも、やりがいのある曲をいただき、ありがとうございました。


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